ウェブとかあれこれ

コンテンツに魂を込めよ

前々回の「「我が社には情報がない」という思い込み」で、社内に情報はいくらでもある、それこそうじゃうじゃある、というようなことを書いた。(ちょっと違うが)

ただ、闇雲に「情報」を発信しまくっていいものではない。「情報」を集めることは貪欲に進めればいいが、その「情報」をどのように加工し、編集し、発信するかは注意が必要だ。ここで思い出して欲しいのは、リニューアル前にやって欲しい前提条件のひとつ、

・ゴール設定

言い換えれば目的の設定だ。

先日、「麺通団団長」で有名な田尾さんとシンポジウムをご一緒する機会があったのだけど、田尾さんも力説されていた。手段ばかりの話になって、目的がないことが多い。「誰を、どうしたいのか?」という部分が抜け落ちている。「商店街活性化」とか「地域活性化」とか。

5W1Hとまでは言わないまでも、せめて、「誰を、どうしたいのか?」は必要だ。このゴール設定がありさえすれば、その後の作業は明確だ。明確だが簡単ではない。集まった「情報」に対し、ゴール設定、目的にあわせて「魂を込める」必要がある。

シンポジウムが終わってから、講師控え室で田尾さんに質問した。

「その魂を込める作業が誰にでもはできんですよね。できる人少ないですよね」
「そやなぁ。だからそういう時は自分達で全部やろうと思わんと、外から連れてこなな」

そうなのである。残念ながらこの「魂を込める」作業は誰にでもできるわけではない。運がよければ社内にいる場合もあるだろうが、いなければウェブ制作会社に相談することになる。が、ウェブ制作会社にもいない場合が多い。GofieldではGofield内の精鋭を出すこともあるが、人数が限られていることもあり、パートナーの編集者に依頼する場合もある。

いずれにせよ、「いなければ、外から連れてくる」が原則。といいつつ、「できる」「できない」の判断は必要なわけで、これには日頃から良質なコンテンツに慣れ親しみ、研究しておく必要がある。でないと、出来上がったコンテンツに魂が入ってるかどうかの判断もできないし。

「魂を込める」作業は他の力を借りるにせよ、借りないにせよ険しい道ではあるのだ。

Web標準化がひとつのヤマ場

中小企業のオーナーの方のご相談を受ける機会が多いのですが、最近実感するのは、ある程度の危機感を前提に、オーナーの方ご自身が真剣にウェブ戦略に関して取り組んでいるということです。ステージの最初は、オーナーの方がウェブ制作の勉強を重ねて、サイト作成を進めておられます。先日もある工務店様の豊富なコンテンツを前に素晴らしいなと実感しました。

サイト改善の4つの前提の中で、「目的の明確化」「体制の構築」「アクセス解析の準備」はわりとスムーズに進むのですが、「Web標準化」は、やはりハードルが高いとのこと。それまで学習されてきたことを根本からひっくり返されるように感じるとのこと。これは僕も過去に体験しているので想像できます。

GofieldではW3Cが提唱する XHTMLとCSS(スタイルシート)を使用した「Web標準」に沿ってコーディングを行います。「Web標準」でのコーディングを行うことによって、SEO(検索エンジン最適化)、Webサイトの軽量化、メンテナンス性の向上、アクセシビリティの向上等、様々な効果を期待することができます。

より戦術的な施策を実行しようとした場合、やはり「Web標準」であることが前提になります。施策の効果を最大化し、その分析をするには、「Web標準」で作成しておきグレーな要素を排除せねばなりません。

「Web標準」への移行段階で、さらに勉強を重ねるか、一部だけでも制作会社に外注するか。決断のポイントです。

「我が社には情報がない」という思い込み

SEO対策などと言うまでもなく、ウェブサイトを作って何がしかの目的に向かって進むためには、「情報発信」はやることが決定している。決定しているはずなのだけど・・・。

中小企業のオーナーの方々とウェブサイトの活用に関して会話することが多いのだがサイトの目的やゴールをひととおりお聞きして、具体的な戦術面の話を進めている時、僕は小手先の技術よりも、きちんとユーザーが求める「情報」を発信していくことが最も重要なのだと訴える。検索エンジンを利用して辿り着いたユーザーの方々が欲しいのはその「検索キーワード」にマッチした、問題を解決してくれる「情報」だ。

ところが、オーナーの方々が最初に発声する一言は、

「いやぁ、我が社には発信するほどの情報がありませんよ・・・」。

本来なら、

「もうウェブサイトで何か戦略を考えるのは辞めにしてはどうですか?」

というべきだろうか。そこは僕も笑顔を保って具体的な例をあげ続ける。

・商品に関しての開発秘話
・従業員に対して思っていること
・従業員の皆さんの日常
・会社の歴史、思い入れ
・その業界のプロとしての裏ネタ
・用語集やFAQ
・お客様の声

ここまで話してくると社長の顔も変わってくる。そういうことならいくらでも「情報」があるんだなと納得顔。

コンテンツを増やしたなら、ログ解析を進めて、どういう話題が対象顧客のニーズにマッチしているか検証していくことになる。

目標設定は資料請求数だけでなく・・・

ウェブ戦略を語る上で、ゴール設定の重要性を以前書きましたが、これはウェブに特化したことではなく、何がしかのビジネス戦略では当然のことですね。ところが、そのゴール設定がないままに、

「いいデザインにしたい」
「ライバルに負けたくない」

というような抽象的な目標のままスタートを切る例が後を絶ちません。そこを具体化していくことが重要で、それが僕らの仕事でもあるのですが、数値化までには苦労することも多いです。なんとか、

「ウェブ関連の問い合わせ件数、前年度比倍増。それに伴う売り上げ3倍増」

と目標をたてます。実際、ウェブでの当面の目標である資料請求数などが設定しやすいですが、ビジネスとしては、「そこから達成される具体的な契約成立数」まで数値で目標を設定しておき、「資料請求数」から「契約成立数」への転換率も重要視すべきです。1件あたりの契約に伴う「粗利益の率」も把握しておく必要があります。

目標が設定されると、いよいよ具体的な戦術を駆使することになります。ただその前に、戦術が効果的に作用しているかどうか、他の事前準備の3つ、

・ウェブ標準化
・アクセス解析の準備
・社内の体制整備

が整っていることが前提です。

ゴール設定の重要性

ウェブ戦略を語る前に準備しておく4つの重要なことは以前のエントリー、「ウェブ戦略を検討する前に必ずしておくこと」で書きました。

本日、某社に出向いてまったく新規のヒアリングを行いましたが、先方の社長が具体的な目標を紙に書き出して用意していてくれました。しかも、ひとつひとつの項目に対して数値目標を明示くださいました。対話の中で僕の頭はぐるぐる回転して、様々なアイデアと課題が浮かびました。次回提案予定ですが、より濃い、実践的な提案ができると確信しています。何度か会食の席などでご一緒する機会のあった方なのですが、本日は「さすがだ!」と思い知らされました。

一報、どんなに議論を重ねてみても目標設定ができないお客様もいらっしゃいます。こちらが先方のビジネスの背景や競合情報などを分析して、「ウェブの役割はかくかくしかじかで、目標はこういうところですか?」と確認してみても、暖簾に腕押し的返事しか来ない方もあります。その時その時でゴールがぶれているように感じますが、何より、ウェブ戦略に対して真剣なステージまで来ていないのでしょう。その場合は真剣になってもらうことが僕達の仕事になるわけです。

いずれにせよ、ゴール設定は4つの重要な前準備の中でも最も大事です。皆さんも真剣に考えてみてください。

中小企業におけるウェブサイト戦略

こんにちは、森田です。Gofieldでは、大都市圏を中心としたナショナルブランドの大企業様の案件と、香川を中心とした中小企業様の案件と両方携わっています。大企業様においては、「専任担当者」もいれば、その方も元々ウェブ制作会社出身だったりということで、ディレクションのレベルも高いことが多いです。

ところが、地方の中小企業様にそれと同じことを求めてもやはり無理があります。中小企業の担当者様にはウェブ以外にもミッションがある方が多く、一所懸命勉強をされる方もいらっしゃいますが、大半の方はなかなか時間が取れないのです。

僕達はそこで「構成案」「デザインサンプル」などをあらかじめ用意しておき、少しでも担当者の方の負担が減るお手伝いをしています。かといって、僕らがその部分をアウトソースすることでコストがあがっては本末転倒。そのあたりの効率的な仕組み化を僕達が実現していかねばなりません。

具体的なディレクター作業だけではなく、改善テーマ、戦略立案こそが僕達の使命と自覚して、皆様のお手伝いにまい進してまいります。

ウェブサイトにかける情熱

こんばんは。森田です。

月に二回ほど中小企業基盤整備機構のアドバイザーとして、主に中小企業の方のウェブサイト戦略、ホームページ改善などの相談をさせていただいております。毎回、真剣に悩んだ末に相談に来られる方が多く、僕も毎時間、毎分が真剣勝負と感じます。

その関連もあって主に中小企業の方々対象の、「インターネット活用講座」と題したようなセミナーの講師も担当させていただくのですが、そこでも経営者の方々の情熱が伝わってまいります。

ある10人以下のIT企業のウェブ戦略の立案と具体的な戦術の行使の担当としてコンサルティングに臨んだことがありますが、当初は結果を懐疑的に見ていたその会社の社長も、目に見えて増える資料請求数に意を決し、プロモーション費用を大幅に拡大、それまで月に30件程度だった資料請求数が、300件まで増加しました。できあがった見込み客のリストに基づき、的確な営業フォローをネットと営業担当者とで進めた結果、受注拡大が実現しました。

ウェブサイトを営業ツールとしても重視する姿勢は、社員数の少ない企業様ほど気づかれており、なんとかしたいと感じられているようです。もちろん大企業においては専従者もいて予算はかけられていると思いますが。

感じるのは、社員数が10人以上、300人以下の規模の会社様においてはあまりウェブサイトを重視されていないのではないかということ。今の時代ですから、見栄えのいい、それなりに情報をそろえたウェブサイトにはしているのですが、機能としては会社パンフの域を出ないものが多いです。

ウェブサイトを強力な営業戦略ツールとして機能させることを一度検討してみてはいかがでしょうか?アプローチは山ほどありますし、予算をかけなくてもまずはやるべきことはたくさんあるはずです。

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