放浪コラム

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恋の結晶作用

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1998年頃のエッセイです。恥ずかしいですね。まぁいいや。


僕は女の子を口説いたりする時(もうしませんよ)、よく恋愛論を多用した覚えがあります。学生時代の専攻が「人間発達論」というあんまりメジャーじゃない学問だったのですが、これは生まれてから死ぬまでの人間の葛藤をテーマにしているので、けっこう「経済学」や「産業論」に比べて、実戦向きの役に立つ研究だったりするんです。まぁ、ほとんど飲み会や営業の席の話ですが。

その研究の中で学生が盛り上がったのがやはり「恋愛が人間に与える影響」などを研究する「恋愛論」。うっとり系の女子学生が一番力が入っていたようでしたが、ただ資料を眺めていただけの僕もキーワードは覚えてゼミを終えました。

さて、その中でけっこう重要なキーワードは「恋の結晶作用」。簡単に言うと、会わない間に相手のことをどんどん理想に近づけていく。さらに好きになった異性の趣味や普段の行動までが自分と重なってきて、それに合わせてしまうような作用のことです。例えば、彼がロックが好きなら、それまで反町とか聞いていた女の子がいきなりエアロスミスを聞きはじめたり。彼女がパイナップルが嫌いだといえば、自分もなんか食べなくなったり。どうですか?みなさんにも大なり小なり覚えがあるでしょう。

そんな淡い恋愛の最初を形作る小道具に、音楽と本があるんではないかと最近思い始めました。この媒体の貸し借りがけっこう結晶作用を作っちゃうんです。歌詞がせつない曲を借りてしまうと、相手の人生がその歌の中に込められているような勘違い(違いじゃない場合も多いですが)が起きてしまうんですね。少女漫画なんか顕著ですよ。恋愛ものを借りてしまうとヒロインが相手にみえてしまったりと重ねてしまうんですね。なんなら、身近な気になる女性に漫画を借りてみて下さい。けっこう自分を燃え立たせる近道かもしれませんよ。

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