放浪コラム
バッファロー
2007年08月17日 12時50分
10年近く前に書いていた文章がけっこう見つかったので、ちょっと掘り起こし。今後もシリーズ化。
サラリーマンでも海外でのんびりキャンプする事は可能。僕も数年前に9月に会社をサボって、同僚数人と友人、計4人でアメリカの国立公園めぐりなどをした。
あっちは1泊、$7~$10ぐらいの料金でテントが設営できる。その日も最初のロングランに疲れて、イエローストーンのキャンプサイトにて早めに休む事にした。
テントを張って、食事の準備。夕方の5時ぐらいだが緯度が高いのでけっこう明るい。ふとそばの看板を見ると、英語でこう書いている。
「注意:ここはバッファローの通り道ですよ」
バッファローと言えばケビンコスナーの映画でも大量に出ていた大型の水牛。バイソンなどとも呼ばれている。
「へぇ、おもろいなぁ。見てみたいわぁ」
の、数分後。何やら地響きがしてくる。野菜を切る手を止めて遠くを見る。
「ん?」
草原の遠くにどうも黒い蟻みたいなのが密集している。それが徐々に近づいてくる。
「あかん!すごい量や」
が、気がついた時は既に手後れ。彼らは僕らのサイトをかすめて通るコースを取った。
「セーフ!たすかったー」
テントと食事が安全となると、僕らは急に観光客に変身。なんせ、3mぐらいの距離をバッファローが通り過ぎているのだ。こんな経験はめったにできない。数にして数千頭。んー、壮観な眺め。と、感慨にふけっていると、無謀な友人Yがカメラ片手にかなりの至近距離に迫っている。
「やめとけ!」
の僕の声を無視してさらに近づく。と、次の瞬間、バッファローが猛スピードで反転してきた。
「!!!!!」
友人Yは目をむき出して走ってくる。当然、バッファローの方が速い。が、寸前でストップしてくれた。
友人Y「バッファローの目が優しい目から急に恐ろしい目に変ったんや。」
まさに「ナウシカの王蟲」の敵色信号。
友人Yは
「俺はあの時一度死んだんや。これからの人生はバッファローの保護に生きる。」
と言ってました。
自然と接する時はいつの日も「ローインパクト」でね。
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