04/242020

「讃岐うどんを絶対守る会」の想い

20200424b.jpg

もうご存知でしょうが、先日から「讃岐うどんを絶対守る会」という活動を活発化させています。

3月の下旬に馴染みのうどん店さんから、急激に売上が減少しているとの話が。インバウンドはもちろん、県外の観光客も減ってるので予想はできましたが、半減してる話など聞くと会社経営している僕からしたらほんとザワザワする数字です。さらに高松市に週末の外出自粛が出たり、国が緊急事態宣言したりと日々状況は進んでいく中でそれまでは常連のお客さんに支えられいつもと同じ感じだったうどん店さんからも「しんどなってきた」という話が。

うどんを愛する面々で話し始めたのは4月の6日。配達やテイクアウトの情報を集めて発信したり、通販商材あるお店はネット通販の情報を拡散したりなどお手伝いできることは考えましたが、何より重要なのは目の前で蒸発している売上をどうするか?キャッシュフローが急速に悪化しているわけです。政府系金融機関などで始まった融資や雇用調整助成金の話もしました。ただ既に危機感持たれてるところは動いています。そこで考えたのがカフェのコーヒーチケットのような金券を発行して販売、前受金としてキャッシュを好転させ資金を繋いでもらう手段です。

幸い、うどん脳くんのキャラクターを描いてる岡谷さんが協力してくれて「ウドンレンジャー」のイラストが出来上がってきました。それをうどん券にデザインし、印刷出稿。同時に一番早く通販サイト立ち上げられるであろうSTORESでうどん券販売の通販サイトの準備、参加希望されるうどん店さんへのご案内。同時並行であらゆることをボランティアスタッフのメンバーで進めました。そこにNHK高松のSさんから連絡があり、僕のTwitterでの書き込みを読んで取材したいと。まだ細かいこと決まらない中でしたがメディアへの露出は大事なので受けることに。これが4月7日。まだ2日目(笑)。

そこから突貫工事で準備進めて、当初は4月11日のオープン目指してありとあらゆる準備を。4月10日にNHKさん取材、同時にネットメディアの讃岐うどんclapさんも取材。うどん脳くんやうどんタクシーの皆さん、ビットコムの川西さんら麺バーかけつけて和気あいあいと終了。が、その夕方NHKの経済部の方の指摘で今のままだと資金決済法に触れるのでは?とのこと。調べてみると違反したら2年以下の懲役若しくは300万以下の罰金!それはまずい!ってことで詳しい方に相談したり、弁護士さんに相談したり。そもそもこのプロジェクトは不可能なのかな?と胃が痛い週末。明けて4月13日。どうやら進めて問題なさそうということが財務局さんからの電話で確認でき、アクセル全開。Facebookグループとして「讃岐うどんを絶対守る会」を立ち上げ、みんなで友人知人を招待。うどん券のことや讃岐うどんに対する想いをできるだけ丁寧に情報発信。ただし、暗くなるのは嫌だったのだけどウドンレンジャーのみんなのおかげで楽しい感じのグループ運営に。

4月15日、弁護士さんにうどん券発行元のうどん店さんと事務局を担当する株式会社ゴーフィールドが結ぶ契約書、チラシ、うどん券などのリーガルチェックを行ってもらい、まさに正式にスタート。ただ、うどん店さんのうどん券を販売するサイトは明確に代行しているサイトなのだとわかっていただく必要もあり、制約の多いSTORESではなく、イチから独自サイトを立ち上げることに。普通は3週間ぐらいかかるところを、「頼むから1週間で構築してくれ」と社内のメンバーに泣いて頼んで進行。プレオープンを4月22日に設定。そこへNHKさんから「おはよう日本の全国枠で流れるかも」との知らせ。実際3回も朝の時間に流れて、ものすごい反響。RNCラジオ、FM香川、瀬戸内海放送、読売新聞と取材だらけ。その間もFBグループは人数増えまくりで6,000人突破。なんとか23店舗でのプレオープンの目処はたつがお忙しいうどん店さんとのやり取りには時間がかかり、契約書も遅れ、素材も遅れ。

そして4月22日。オープン予定は12時なのに、11時になってもまだ素材が到着しないなどハラハラドキドキ。いよいよオープン。注文ラッシュ!!!感動。感動。たくさんのメッセージも。その日のうちに限定枚数に到達するお店も。たくさんの改善案やお叱りの言葉も。ありがたいです。猛スピードですぐ改善できることは改善。じゃんじゃん届く反応に返信していたら夜も遅い時間。帰宅して、この日が息子の誕生日だったことを思い出す。というか忘れていた。「ごめん!朝はおぼえていたんやけど・・・」「ええよええよ。誰かのために仕事一所懸命やってたんやろ。そんなお父さんで良かったわ」涙出る。ええ息子に育ったなぁ。

グランドオープンはクレジット審査会社が緊急事態宣言のために審査が遅れていて5月1日予定。それまでまだまだやること山積み。情熱だけでは続かないから、グッズ販売なども行って、守る会の運営ができる方法も同時に。元々情報発信力あるうどん店さんとそうでもないお店との差がつくことも大きな悩み。この対策も。まだまだアイデアが足りない。届かないといけない人に想いが伝わってない。もっと大きな力を呼び込まないといけない。行政?国?葛藤は運転しててもずっと頭の中に。

昨年末に僕が愛して愛した東植田の谷川製麺所が惜しまれつつ閉店しました。最後は通い続けました。閉店した後も諦めきれずに「大将慰労会」として大将を呼び出して飲んでもらって、やっぱり再開してくれないか本気で説得もしました。最後は大将の想いをみんなで聞いて、納得して心の整理をしました。

20200424c.JPG

今回の新型コロナでは急に襲ってきた災難に大変な想いをしているうどん店のみなさんがいます。なんで「うどん店だけ?」とよく聞かれます。それは僕の人生の中で本当に大切にしてきた文化だからです。生活の一部だからです。その想いを先日Facebookに書いたので転載します。他にも「お前がやってることはうどん店の経営を悪化させるだけだ」とか「お前の会社が儲かる仕組みなんだろ」などなどたくさん声聞こえてきますが、うーん、公開の場で討論会とかできないのが残念ですね。だけど、やめません。

-----

本音の話をします。

僕が本当に大事にしたい、応援したいというお店は10店舗ぐらいです。僕のFacebookやInsta、Twitter見てる方は知ってると思いますが、同じお店ばっかり出てきますよね。僕はまだ行動範囲広い方ですが、週に6回ぐらいうどん食べてるおっちゃんでも普通はいつもの2,3店舗でまわしてる方が多いです。特別じゃない、普通の一杯。

仕事で遠く行ったときや、県外の友人が来たら、有名店や普段行かない穴場店にも行きますが、それは特別な一杯。

僕は自分の生活を潤いのあるものにするための必要条件として、この10店舗を20年先まで大事にして応援したい。自分が70歳を超えたら、今度は歩いていける範囲の3店舗を応援したい。昼からおでんでビール飲むような老後を夢見ているのです。

香川のうどん好きなおっちゃんたちには、必ずこの大事にしたい自分のテリトリーのお店があるはずです。この日常通ってくる方々がいつものうどん店を支えていると思います。僕はうどん店経営はしたことないですが、同じ時間、同じ席でほぼ同じうどんを食べているおじさんをよく見かけます。僕も同じように見られてるんでしょう(笑)

このそれぞれの日常の風景が香川県全体の、個性的で多様性のある文化を生んでるんだと思います。メディアが狙っても作れない、日常の積み重ね。ふれあい。

それが県外の方から見ても面白い独特の讃岐うどん文化となり、高速代や新幹線代、飛行機代を使ってでも食べに来てくれるのだと思います。

このそれぞれの普通の一杯を守りたいのです。結果的に香川全体を応援できたら最高です。みんなの応援したいお店を応援しましょう。

「いや、まだ大丈夫。頑張れるよ!」

というお店はもちろんそれで。

「ちょっとしんどなってきたなぁ・・」

という声が聞こえたら、ぜひお知らせください。

うどん券販売サイト SAVE THE UDON

20200424a.JPG

NEW ENTRY

keyboard_arrow_up

ホームコラム › 「讃岐うどんを絶対守る会」の想い