会社における非常勤の取締役、社外取締役の役割は、取締役会設置会社の場合は、会社の業務執行に関する意思決定を行う取締役会に株主、あるいは社会の代表として他の取締役と共に参加することです。業務執行自体は代表取締役や業務執行取締役が担うことになります。
なので、社外取締役が
「お前は業務執行の分担をしていない。もっとやれ。」
と言われることは本来あまりありません。そんなことよりも、普段社外取締役が営んでいる経験やノウハウをもとに、業務執行している経営陣を監視し、助言し、方向性や戦略を共に決議していくことが求められます。もちろん、充分に提供できる時間と得られる対価(役員報酬や株価上昇など)があるならば業務執行取締役として名乗りを上げるのはありでしょう。
では、NPOなどの非常勤の理事の場合はどうでしょう。
株式会社の取締役と同じように考えるのはちょっと違うみたいですね。そもそも場合によっては、常勤理事も常勤職員もいないようなNPOの場合は、非常勤理事にも業務執行の権利と言うか分担がかなりあるはずですし。
結論から言うとNPOの場合は、そのNPO次第かなと思います。
ただ、僕個人の考えを述べると常勤理事、常勤職員が存在するケースでは、非常勤の理事で業務執行はほとんど担当しない理事があってもいいんじゃないか、もっと言うといた方がいいんじゃないかと思います。NPOのミッションや目標、戦略は理解した上で、きちんと何がしかの方法で情報は共有して、理事会にて業務執行に関する意思決定に会員、そして社会を代表して参加すると言うので充分じゃないかなと。
その上で、経営者で自分の時間がある程度融通が利くとか、セミリタイヤなどで時間のある理事の中で常勤に近いことができる方には相応の業務分担をお願いして、きちんと体制の中に組み込むという流れでしょうか。
そのあたりの区別やら根回しがないままに非常勤の理事に対して、
「お前は業務執行の分担をしていない。もっとやれ。」
というのは無理がありそうです。株式会社の取締役に同じ取締役でも業務執行取締役と社外取締役があるように、NPOでも同じ理事でも一部業務執行を分担する理事とそうではない純粋に非常勤の理事があっていいんだと思います。
ちなみに、NPO法人アーキペラゴはこの形に近いかなと感じています。