阿部真大さんの「地方にこもる若者たち」を読みました。
満員電車、高い家賃、ハードな仕事・・・もう東京には憧れない
けど、不便すぎる田舎はちょっと・・・という中で、都会と田舎の間に出現した新しい社会が、「ほどほどパラダイスな地方都市」という設定。それはモータライゼーションの進行がもたらしたとされる。
パラダイスを実現している対象を「イオンモール」で論じてたり、80年代から00年代までの若者たちの「自分らしさ」を求める心の変遷をBOØWY、B'z、Mr.Children、KICK THE CAN CREWなどで進められたりと、共感しにくいところもあるんだけど、「地方都市」に住んでる僕としてはいろいろ整理できた一冊でした。
人間関係を、「家族」と「友人」に関しては濃密にしていても「地域」に対しては希薄化を望んでいるのは僕も辿った道。しかし、今後の不確実な未来、財政の悪化により頼れない行政などと考えていくと、ほどほどパラダイスに住んでいる地方都市の若者も「子育て開始」などのライフイベントをきっかけに「地域」に関わっていかなければならなくなるのかもしれない。
そこで必要とされるリーダーは、違いを感じて抵抗する若者を「地域」に同化させるかつての強権的リーダーではなくって、違いを認めた上で違いを活かし、競争優位性につなげることが必要。かなりのコミュニケーション能力が必要とされます。
新しい公共を担う人材発掘が急がれますね。