ありがとう、サロマ湖100kmウルトラマラソン

僕のサロマ湖100kmウルトラマラソン2013は、54.5kmのレストステーションで終わりました。

僕は5年半前から走り始めたのですが、当初は5kmの大会で死にそうになるなどまったくもってダメダメ。元々長距離走には苦手意識があったのですが、ここまでダメとは思わなくってプライドが相当傷つきました。そこで練習開始したんですがすぐに膝痛に悩まされる日々が始まりました。

それでも鎮痛剤などで騙し騙しハーフマラソンなどに出ていた頃、サロマに魅了された友人たちから「試しに50kmに出てみないか？」と誘われました。僕としては久しぶりの北海道旅行ぐらいの気持ちで、走ることは二の次でエントリーしたのを覚えています。しかし、僕はそこでウルトラマラソンの面白さに目覚めてしまったんです。

■灼熱のサロマ湖ウルトラマラソン

今度は100kmに挑戦だ。という想いはこの時から始まりました。100kmの道のりの中で、あのワッカを走りたい。右にオホーツク海、左にサロマ湖。もう一度走りたい。強く思うようになりました。

そこで、僕は全てのジョグや走好会、大会、全部「三年後」のサロマに向けての積み重ねだと考えるようになったのです。その後に出た京丹後60km、タートルマラソン、オリーブマラソン、丸亀ハーフマラソン、萩往還70km、小豆島寒霞渓100kmなど全てのレースは、2013年6月のサロマ湖100kmのためのトレーニングだと思って出場しました。

そうです。これらの大会だけではなく、一昨年、昨年のサロマ湖100kmも三年目の今年のために参加するイメージでした。

一回目の一昨年は、まず50kmとは違う、サロマ100kmの前半を体感することや必要な装備などを試すこと、体力的、精神的な課題を探すことが最大の目的でした。実際、49kmで早々にDNFになったわけですが、得るものが多かったです。

二回目の昨年は一年間いろいろ試してきた課題克服を本番で試して、さらに伸ばす部分を見極めることでした。結果的には68kmでDNFでしたが、30kmから50kmでスピードが落ちないトレーニングが必要で、そこさえクリアできれば80kmの関門突破と100km完走が見えてくる状況だったと感じます。

そして今年。集大成になるはずでした。何日仕事を休んで走りこんだかわかりません。

30kmまではタイムの上では順調でした。ただ、いつもなら意識していたはずの塩分補給などが甘かったんだと思います。左脹脛が痙攣気味につり始めて、筋が痛むのが怖くてスピードが落ちました。まだ頑張れるのに35kmから歩くことが増えてしまいました。8分/kmで刻んでおけば、40kmから50kmで再びスピード回復して立て直せると頭ではわかっていたんですが、身体を支配している別の頭が身体を動かしませんでした。完全にメンタル面での敗北です。

42.195kmでは昨年より10分遅く、最低レベル目標より5分遅い状態。巻き返せるレベルなんですが、躍動的な走りは長く続きません。

54.5kmのレストステーションにたどり着いたときは、脹脛の痛みがはげしく、座り込んでしまいました。

こうして僕の三年にわたる挑戦が終わったのです。

詳細に分析すればいろいろこうすればよかったという要素はありますが、総合的なレベルアップをしないと対処できないことだったんだろうと実感します。運良く気温が低く、装備も万全で、体調も万全なら完走できるのかもしれませんが、そんな偶然に左右されるようなレベルではセルフマネジメントできていたことにはなりません。ぜんぜんレベルが低かったということです。

僕は一番コントロールできないものを求められるであろう、自分の身体と、自分の精神力、技術などをトータルでマネジメントすることによって三年前には絶対無理だと思われたサロマ湖100kmウルトラマラソンを完走したかったわけです。そういう意味では玉砕でした。

しかし間違いなく僕はこの三年に渡る挑戦で大きく成長したと実感します。

今回も多くの一緒に走るランナーの皆さんの奮闘に励まされました。フィニッシュに帰ってくる死力を尽くした激走に感動しました。現地の沿道で声援いただいた方、スタッフ、ボランティアの方々ありがとうございました。多くの友人知人にネット経由で声援をいただきました。快く送り出してくれたお客様、Gofieldのみんな、家族に感謝いたします。

そして何より、北の大地、サロマ湖に感謝です。挑戦させてくれて、走らせてくれてありがとうございました。

いつか必ずまた帰って来たいと思います。