facebookなどではさんざん中継してまして今更なんなんですが、今年も小豆島・寒霞渓100kmウルトラ遠足を走ってきました。昨年と同じであんまり振り返ってると燃え尽き症候群になるので、さらりと。
6月のサロマ湖100kmウルトラマラソンを前に、大会で100kmを経験できる数少ないチャンスです。前半30kmのスピードと、後半55kmを超えてからのタフさを試すことが課題でした。そういう意味では寒霞渓への700mの急登り、その後15kmに渡る下りは特殊なのでアトラクションぐらいの感覚でした。
32.7kmのエイドまででもけっこうアップダウンあるんですが、ここを軽く7分/kmぐらいで走りきれなければサロマは見えてこないと思って、少々飛ばしてしまいました。結果的には20km過ぎからだれてしまったのですが、まずまずのタイムで32.7kmに到着。
ここから寒霞渓頂上までは700m高さの急登。とにかく55kmを超えてからの走りに影響がないよう、ダメージが少ないことを目指したのですが、あの坂道ではどうやってもダメージ出ますね(笑)。頂上のエイドに到着したときはアップアップ。しかしゆっくりできませんので、煮麺とおにぎりをかき込んだらすぐに出発。
15kmの下りはまさにスピード区間なんですが、ほんと自分でもどうしたのかというぐらいテンションダダ下がり。
「なんでこんなことやってんだろう」
「どうせ今年のサロマも途中で制限時間くるだろうしなぁ」
「もうウルトラはやめて、のんびりジョグだけの生活に戻ろうかな」
などという考えだけに支配されてしまって、脚は死んでないのに下り坂で歩いたり。この「もういいや」モードは結局65km過ぎまで続きました。すぐ歩いてしまって自分でも情けない状態。10分/kmがやっとというスローペース。とてもフィニッシュできそうにありません。折り返してくるランナーから見てもダメそうに見えたのでしょう。
「ファイト!あきらめたらいかん!」
と励まされました。また友人知人のランナーからも激励をいただきなんとか前に向かいました。そして二十四の瞳の映画村を折り返した後、つまり今度は自分がまだ諦めずに折り返しに向かってるランナーに声をかける番になって、やっと自分の中のもやもやが吹っ切れたのです。
「何、弱気になってんだ」
あと35km。考えるとまだ途方もない距離だけど、一歩一歩前に進めば確実に近づいてくるフィニッシュ。自分でもびっくりするぐらい力が湧いてきて、そこから85kmまでの20kmは8分/kmぐらいで走れました。登り坂も歩かず走りました。しかもなぜかにやけながら。笑いながら。そうとう気持悪いランナーだったと思います。それぐらい自分でも、
「なんで今になってこんなに走れるの?」
と不思議だったのです。さすがに90kmに向かう坂と95kmに向かう坂は少し歩いてしまいましたが、集中力切らさず進めました。フィニッシュした時はほんと涙が出てきました。日常ではこれほどの感動はなかなか味わえませんね。まぁ、非日常なんですけど(笑)
今回は精神的な面で自分が「限界線」を作ってしまう現実に直面し、そしてまたそれを突破する醍醐味も実感しました。突破できたのは、一緒に走ってくれた519名のランナーの方々、大きな声で応援してくれた小豆島の方々、ネット越しに寄せられた多くの声援、大会を運営したくれたスタッフの方々、ボランティアの方々のおかげです。
走ってる時は「二度と走るもんか」と思ってた小豆島100kmなんですが、翌日にはまた走りたくなってる自分がいるんですよね。ほんと不思議です。
アドヴェンチャーランナーの高繁さんが「Run」という英語には「経営する」という意味もあることを教えていただきました。それもまた実感できた100kmでした。
ありがとうございました!