そんなわけで、2012年6月24日を迎えます。昨年、スタート前のトイレ行列で苦労したので、前日便秘薬を飲んで、きちんと宿で終わらしてきました。とにかく、けっこうあらゆる準備を万全にしておいたのです。
モンベルのクロスランナーを背負って、中にはエネルギーチャージ用のゼリー、鎮痛剤、緊急用のドリンク、塩カプセル、iPhone用のバッテリー、粒状のアミノバイタルプロなど必要最低限のものを。これまでの経験から選びました。そして、かみさんと子供たちからの応援メッセージが入ったお守り。心が折れそうな時はこれしかないと準備しました。僕は途中のレストで着替えたりする時間はないので、これで100km走りきります。
長袖のシャツに、小雨だったのでモンベルのEXライト ウインドジャケットを。これは65gと超軽量なので、後半寒くなったときも使えます。
そして緊張もすることなくスタート。スタート時のロスは27秒。まずまず。
1km地点では「あと99kmかぁ・・・」という思いが一瞬よぎりましたが、いやいや、楽しもう!とすぐに気持ち切り替え。周囲を見て、7分/kmペースの人を探します。10回以上完走しているサロマンブルーのナンバーカードのベテラン選手たちについていけばペース走してくれるだろうと考え、何人かマーク。しかし、「なんだか遅いなぁ・・・」と感じては次のターゲットへ。結果的にはこれがいけなかった。あの時、あの7分/kmペースのおっちゃんたちに着いて行けば良かった(笑)
ついつい足が動くものだから6分/kmぐらいのグランドブルー(20回以上完走者)の方をマークして追走しました。「気持ちよく走れるスピードがいいスピード!」ですからね。
10kmが1時間2分43秒。20kmが2時間4分18秒・・・。いかん、速過ぎる・・・。
フルを走ってる方や、ウルトラぐらい楽勝の方から見たらなんでもないスピードですが、僕からしてみたらこれはやはり突っ込みすぎです。こんなことでは脚が持たない。とはいえ、安易にペースダウンしたら全体がおかしくなるよなぁ・・などと思い始めたら危険ですね(笑)
25kmが遠いなぁ・・・、30km遠いなぁ・・・、と感じ始めました。それでも30kmを超えたあたりでもまだ元気だ、俺!と言い聞かせることができました。なんせ、昨年はここから大失速して終わってしまいましたからね。
30kmは3時間17分2秒。予定の7分/kmペースで維持できていると思うと逆に楽になりました。ここで、
「80kmの関門、制限時間10時間が最大の難関。ここまでの貯金で残りの50kmを8分/kmでいけば間に合う。ペース計って、7分30秒でも7分55秒でもいいからとにかく8分さえ切ってれば80kmの関門を突破できる!」
と思ってしまったんです。「完走!」になんか手が届いた感じがしてしまったのです。
結果的にはこれが失敗でした。どうも甘えが出てしまったんですね。まだ7分/kmで走れる力があったのに、7分半、7分50秒あたりで進んでることに満足してしまいました。
それでも昨年はとぼとぼ歩いている人も多かった30kmから40kmの区間を元気に走ってる自分に少々感動してました。まぁ、気温が低かったのも幸いしましたけどね。
40kmは4時間38分18秒。予定の4時間40分を下回りました。だんだん苦しかったんですが、快復力を信じました。
昨年、1秒前通過だった42.195kmは、4時間55分21秒。昨年よりも34分以上早い。しかし、余裕はまったくない状態。50kmをなにがなんでも6時間以内で通過しないと・・・。
想定時間内ではあるんですが、ペースが8分台になってることが苦痛でした。これでは間に合わない。とにかく7分台を重ねねばならないんですが、エイドも考えると7分半はキープしたい。実際、頑張れば7分半で走れるんですが、どうにも続かない・・・。
50kmの関門は6時間3分11秒。目標より3分オーバー。しかし、どんどんペースが落ちています。
これまでエイドでの滞在時間も短かったので、空腹の心配も出てきたので、55kmのエイドには入らざるを得ませんでした。ここでおにぎりを2個食べて、再スタート!
頭ではわかってました。膝も、踵も、背中も、腰も、どこも痛くない。なんとなくダルいだけ、歩きたいだけ。これは完全にメンタルな問題だと・・・。湧き出て来い!走る気持ち!と脚を進めました。Facebookでみんなからの応援メッセージを何度も読みました。家族のお守りを握りました。
しかし、坂道に入り、思ったスピードに上がりません。
下り坂に入ってとにかく飛ばしましたが、ロスタイムも重ねてしまい、60kmの通過タイムは目標を13分オーバーの7時間33分2秒。
ここからは先のこと考えず、目の前の10km、70km関門のことだけ考えて進みました。周囲のランナーも歩かずに走っています。コースがフラットになってることもあって7分半程度で刻めます。サロマ湖の景色が雄大に広がっています。ほんと気持ちのいい時間になりました。コースは湖畔から森を抜け、再び国道へ。すると「最後尾車」という車が目の前に止まって、
「はい、お疲れ様!」
僕の今年のサロマは、68km、8時間45分で終了となりました。
昨年と同じく「収容車」に乗せられ、フィニッシュ地点へ。昨年と同じく計測チップを外してタオルをもらい、着替えに。昨年と同じくラーメンとビールを。そして昨年と同じく戻ってくるランナーに声援を送ります。ほんと羨ましい。しかし、ここを拍手をして声を出して、悔しさ半分応援しておかないと来年はありません。戻ってくるランナーの笑顔と涙とガッツポーズが本当にまぶしい。
そんなわけで、来年のサロマへのプロセスがこれを書き終えた今から始まっています。
そこの皆さん、あなた。ぜひ50kmからでもご一緒しませんか?
それはもう生きてることを実感できる最高の時間ですよ。人生は一度だけ。年齢とかなんにも関係ありません。
決断した時がサロマ湖ウルトラマラソンへのスタート地点です。