311以後、各所で話題になっていてすぐに買い求めたんだけど、そのまま積読にしておいたわけです。で、先週から週末にかけて隙間時間で読了。読み始めたらあっという間でした。
前半は日中ビジネス摩擦やら中国内の激しい権力闘争などがメインで、僕自身この小説の舞台でもある大連に関連会社を設立したこともあるので、ほんと自分のことのように引き込まれました。読んだあとなら中国進出考えなかったかも(笑)。その中国側の主役がまたかっこいい男で、日本側主役の技術顧問との間に芽生える友情と希望がメインテーマ。こういうパターンでなければ中国進出はうまくいかないですよ、ということが伝わってくるんだけど、まさにそうだよなぁ、けど、ものすごくエネルギー必要だよなぁ・・・というのが実感。
で、後半はもう気持ち悪いぐらい福島第一原発の事故の予言みたいな内容で、テレビで見まくった原発事故の様子がそこに書かれています。小説の中でも現場の作業員たちの壮絶な事故対応の様子が描かれていきますが、同時に4基の事故が起きた福島の現場はさらに鬼気迫り、かつ絶望的だったのだろうと、読んだ後ならさらに感じます。
小説の核電が事故を起こした理由、経緯はあたりまえだけど描かれています。ではなぜ福島で酷似した事故が起こったのかを僕たちは未来に向けてほんときちんと検証しなくてはいけないです。