季節柄、カブトムシネタ続き(笑)。
兄の影響もあって僕もカブトムシやクワガタ捕りには熱中した。東植田、西植田あたりに向けて出撃するのだけど、持参する道具は、ピンセット、シャベルなど。忘れてはならないのはゴム長靴。西植田あたりのクヌギ林は草ぼうぼうの上に湿気ていて、大量に「ハミ」がいる可能性があるのだ。「ハミ」というのは「マムシ」。おそらく、毒を持った蛇は全て「ハミ」なんだろうね。ちなみに、得体の知れない茶色い小動物のことは、とにかく「トマコ」と呼ばれる。おそらく「イタチ」なんだけど、まぁ、さっと隠れた小動物は「トマコ」なのだ。
話がそれたが、そこそこ重装備でカブトやクワガタを捕まえてくるんだけど、捕まえて何が楽しかったかといわれると・・・。実際、「見つけた!」瞬間が一番アドレナリンが分泌されてるわけで、持って帰るとそんなに興味がなかったりする。それでも、海苔の瓶やら水槽やらにたくさん飼っていた。
えさやりは面倒なものだけど、スイカや砂糖水をやっていた。あんなんじゃやっぱり長生きできないよな。当時はあまり考えず、そんな感じ。
ある夏休みの昼下がり。家で一人でいた僕は毎日の日課のえさやりをしていた。食卓の上に瓶から取り出したカブトムシやクワガタを並べて、砂糖水を含ませたティッシュペーパーを吸わせていた。たまには、狭い瓶から出たいよなぁ・・・。
ニューっと出てくる毛の生えた舐める部分がグッと砂糖水に吸い付く様子は見ていて飽きない。腹をすかせた虫たちは身動きひとつせず吸い続ける・・・・。僕も身動きひとつせず寝転んで様子を見ていた・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
「こら!けいじ!おきまい!おきまい!」
「は・・・・?」
そこには、母が立っていた。強烈に怒ってる。僕はいつの間にか寝ていたようだ。
「はぁちゃうわ。カブトがあちこちはいまわっよるでないんな!!」
「えー!?」
「何匹おったんな!」
「えーと、20匹ぐらい。」
「ぐらいって、なんな!3匹しかおらんでないん!!」
それから、ものすごく罵声を浴びながら脱走したカブトとクワガタを探し回ったが、結局全部は見つからなかった・・・。夕方になってカーテンの裏から出てきたりして、その度に僕は家族中から非難轟々。
それ以来、虫を飼うことはご法度になったのである。