NPOの経理処理

を着実に実行していれば、例えば締め日から数日以内には、

・資金繰り表
・残高試算表
・借入一覧表

が完成するはずです。経営の観点で言えば、これらと、前回話題にした、

・支払いリスト
・入金予定リスト
・売り掛け未入金リスト

が揃えば、様々な判断が可能です。逆に言うと、これらが揃ってないところで、現場職員から理事が、

「あのー、次年度に向けた新事業の職員研修を受けたいので東京に出張に行ってもいいですか?」

と言わばささいな判断を求められた時でさえ、少なくとも俯瞰的な考え方は頭の中にはないわけですから、迷いが出るはずです。まして、チャンスと思われるそのNPOの方向性にマッチした補助金申請の案内が行政から来ても、

「勢いでいっとこか!」

という判断になってしまうのではないでしょうか。

話を戻して、個別に見ると、

・資金繰り表

は、向こう12か月分ぐらいの、現金としての収入と支出をシミュレーションしたものです。フォーマットさえあれば理解できると思うので困ったら相談ください。株式会社などでは、売掛債権といっても、手形でさえなければ、翌月末、翌々月末あたりに入金があると思うので計算しやすいのですが、NPOが主として行政からの助成金、補助金、委託費用などで成り立っている場合は、先払いのケースもあるでしょうし、6か月分まとめて!のようなケースもあると思うので、これこそどんぶりにせず、きちんとした資金繰り表が必要です。

よくNPO内の会話で、

「この予算はまだあるから、使っても大丈夫!」
「その費用はどこからも助成金とかないので費用が出ません」

といった、支出がひも付き前提の会話が多いですよね。それ自体は、健全ではあるのですが、本来、お金をかけるべきところにお金がかけられず、ある案件では予算が余ってるのにさらに無駄を重ねて・・・というケースも見られます。これらも、案件単位のどんぶり主義になっているので、NPO全体として経営がどうなのかということが置き去りになっているのが問題なのではないでしょうか?

資金繰り表なんか作ったことがない・・・・。

というNPOさん、社団法人さんはせめて向こう12か月分は大至急作成しましょう。なにわなくとも作成しましょうぞ。

資金繰り表を作成していて、どうにも4ヵ月後とか、半年後に残高がマイナスになるようなことがある場合は、それに応じて、何か手立てを講じねばなりません。新たな事業を立ち上げ売上をあげるのか、新たな助成金を探すのか、寄付金獲得の営業をするのか、銀行に借入をするのか・・・。じっとしている時間はありませんよね。

と、長くなったので、試算表以後は次回に。

(続く)

">
02/042011

NPOこそ資金繰り表が重要

前回の、

NPOの経理処理

を着実に実行していれば、例えば締め日から数日以内には、

・資金繰り表
・残高試算表
・借入一覧表

が完成するはずです。経営の観点で言えば、これらと、前回話題にした、

・支払いリスト
・入金予定リスト
・売り掛け未入金リスト

が揃えば、様々な判断が可能です。逆に言うと、これらが揃ってないところで、現場職員から理事が、

「あのー、次年度に向けた新事業の職員研修を受けたいので東京に出張に行ってもいいですか?」

と言わばささいな判断を求められた時でさえ、少なくとも俯瞰的な考え方は頭の中にはないわけですから、迷いが出るはずです。まして、チャンスと思われるそのNPOの方向性にマッチした補助金申請の案内が行政から来ても、

「勢いでいっとこか!」

という判断になってしまうのではないでしょうか。

話を戻して、個別に見ると、

・資金繰り表

は、向こう12か月分ぐらいの、現金としての収入と支出をシミュレーションしたものです。フォーマットさえあれば理解できると思うので困ったら相談ください。株式会社などでは、売掛債権といっても、手形でさえなければ、翌月末、翌々月末あたりに入金があると思うので計算しやすいのですが、NPOが主として行政からの助成金、補助金、委託費用などで成り立っている場合は、先払いのケースもあるでしょうし、6か月分まとめて!のようなケースもあると思うので、これこそどんぶりにせず、きちんとした資金繰り表が必要です。

よくNPO内の会話で、

「この予算はまだあるから、使っても大丈夫!」
「その費用はどこからも助成金とかないので費用が出ません」

といった、支出がひも付き前提の会話が多いですよね。それ自体は、健全ではあるのですが、本来、お金をかけるべきところにお金がかけられず、ある案件では予算が余ってるのにさらに無駄を重ねて・・・というケースも見られます。これらも、案件単位のどんぶり主義になっているので、NPO全体として経営がどうなのかということが置き去りになっているのが問題なのではないでしょうか?

資金繰り表なんか作ったことがない・・・・。

というNPOさん、社団法人さんはせめて向こう12か月分は大至急作成しましょう。なにわなくとも作成しましょうぞ。

資金繰り表を作成していて、どうにも4ヵ月後とか、半年後に残高がマイナスになるようなことがある場合は、それに応じて、何か手立てを講じねばなりません。新たな事業を立ち上げ売上をあげるのか、新たな助成金を探すのか、寄付金獲得の営業をするのか、銀行に借入をするのか・・・。じっとしている時間はありませんよね。

と、長くなったので、試算表以後は次回に。

(続く)

NEW ENTRY

keyboard_arrow_up

ホームコラム › NPOこそ資金繰り表が重要