最近、いろいろなプロジェクトで商品開発の話になります。発端は、ビジネスのキャッシュポイントとして、通販かリアル店舗かは別として、「オリジナル商品」でないと利益幅がなくって、充分な提案のためのコンテンツも用意できない・・ということが多いです。
そうやって始まる商品開発ですが、議論白熱して、回を重ねるごとに、
「自分たちがほんとに使い込んで、素晴らしいと思うもの以外は提案したらいけないよね」
「自分たちのこだわりが見えないとダメだね」
という空気になって行きます。どこかで見たようなものはもちろん検討にも値せず、素材の背景、ストーリーを考えながら、呑みながら(笑)、会話は進んで行きます。
某NPOの理事仲間でもある某料理屋さんのHさんと最近何度かそういう機会を得てるのですが、議論している数時間は至福の時間とも言えます。こだわって作ってきた方が今後も作り続けられるよう、ほんの少しのお手伝いをしようね、というスタンスで特に食品系の開発を今、進めています。
ひょっとするとそれは例えば、年間500個しか作れない調味料かもしれません。1年の11ヶ月は品切れかもしれません。それでも、10人、20人、500人のファンがつくような、そういう仕事ができたらなぁという想いです。
こういう話は今、日本中のあちこちで行われ、多くの失敗とほんの少しの成功があるのだと思いますが、最近読んだ、金丸弘美さんの「田舎力」が参考になります。
「発見力」「ものづくり力」「ブランドデザイン力」「食文化力」「環境力」の5つの力にあてて、成功ケースから検証します。
大規模な公共投資を行政が実行する体力がなくなった現在、「田舎」が持続的に社会を維持するための取り組みはこれからが正念場です。多くの事例に接して、来る時代に備えることは重要だと思います。
金丸さんが、全国800の農漁村を回って、俯瞰的にまとめた本書は、手順も具体的でわかりやすいですよ。
ちなみに、昨日の日記の小値賀島も冒頭に登場します。
(遠ざかる晩夏の男木島)