10/062008

船に住む漁民たち

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海までわずか10kmほどのところに住んでいながら、海というのはどこか非日常で、それは大人になってからもあまり変わらず。シーカヤックやカニ捕り、ビーチコーミングをするのもやっぱりイベント。日常的には里で遊び、山を登ることが多いのです。

まぁ、先祖代々までさかのぼっても土を耕して生きてきたっぽいですし、おじいちゃん子だったのでたっぷり教育されて田畑があうんでしょうね。

それでも最近、島のこと、海のことに関わることが増えてきて、もうちょっと勉強してみようという気になってきました。昨日も雨の中、子どもたちと図書館にいってあれこれ。何冊か借りたんですけど、大好きな写真家、中村昭夫さんの「船に住む漁民たち」というビジュアルブックに惹かれました。昭和三十年頃の、尾道の吉和という漁港を中心に、当時、漁船を唯一の住居にしていた方々のいきいきとした写真の数々。特に子どもたちがたくましく遊び、お手伝いをしている様は、目の輝きがすばらしいです。

はるか昔の光景に見えますが、登場している子どもたちは僕と父の間の世代なわけで、ある意味つい最近の話。子どもたちの多くは学童寮に入って共同生活をしていたようです。就学しない子どもも多かったようです。

僕たちがあたり前と思っている風景や生活スタイルは、実はそんな以前からのものではないのだとあらためて感じます。今後もあたり前は大きく崩れてしまうかもしれません。社会を構成する最小単位の家族の意味がなんなのかなどもいろいろ考えてしまいます。

お薦めの本なのですが、残念ながら重版予定はなく、図書館などで探してみてください。

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