もうご存知でしょうが、先日から「讃岐うどんを絶対守る会」という活動を活発化させています。
3月の下旬に馴染みのうどん店さんから、急激に売上が減少しているとの話が。インバウンドはもちろん、県外の観光客も減ってるので予想はできましたが、半減してる話など聞くと会社経営している僕からしたらほんとザワザワする数字です。さらに高松市に週末の外出自粛が出たり、国が緊急事態宣言したりと日々状況は進んでいく中でそれまでは常連のお客さんに支えられいつもと同じ感じだったうどん店さんからも「しんどなってきた」という話が。
うどんを愛する面々で話し始めたのは4月の6日。配達やテイクアウトの情報を集めて発信したり、通販商材あるお店はネット通販の情報を拡散したりなどお手伝いできることは考えましたが、何より重要なのは目の前で蒸発している売上をどうするか?キャッシュフローが急速に悪化しているわけです。政府系金融機関などで始まった融資や雇用調整助成金の話もしました。ただ既に危機感持たれてるところは動いています。そこで考えたのがカフェのコーヒーチケットのような金券を発行して販売、前受金としてキャッシュを好転させ資金を繋いでもらう手段です。
幸い、うどん脳くんのキャラクターを描いてる岡谷さんが協力してくれて「ウドンレンジャー」のイラストが出来上がってきました。それをうどん券にデザインし、印刷出稿。同時に一番早く通販サイト立ち上げられるであろうSTORESでうどん券販売の通販サイトの準備、参加希望されるうどん店さんへのご案内。同時並行であらゆることをボランティアスタッフのメンバーで進めました。そこにNHK高松のSさんから連絡があり、僕のTwitterでの書き込みを読んで取材したいと。まだ細かいこと決まらない中でしたがメディアへの露出は大事なので受けることに。これが4月7日。まだ2日目(笑)。
そこから突貫工事で準備進めて、当初は4月11日のオープン目指してありとあらゆる準備を。4月10日にNHKさん取材、同時にネットメディアの讃岐うどんclapさんも取材。うどん脳くんやうどんタクシーの皆さん、ビットコムの川西さんら麺バーかけつけて和気あいあいと終了。が、その夕方NHKの経済部の方の指摘で今のままだと資金決済法に触れるのでは?とのこと。調べてみると違反したら2年以下の懲役若しくは300万以下の罰金!それはまずい!ってことで詳しい方に相談したり、弁護士さんに相談したり。そもそもこのプロジェクトは不可能なのかな?と胃が痛い週末。明けて4月13日。どうやら進めて問題なさそうということが財務局さんからの電話で確認でき、アクセル全開。Facebookグループとして「讃岐うどんを絶対守る会」を立ち上げ、みんなで友人知人を招待。うどん券のことや讃岐うどんに対する想いをできるだけ丁寧に情報発信。ただし、暗くなるのは嫌だったのだけどウドンレンジャーのみんなのおかげで楽しい感じのグループ運営に。
4月15日、弁護士さんにうどん券発行元のうどん店さんと事務局を担当する株式会社ゴーフィールドが結ぶ契約書、チラシ、うどん券などのリーガルチェックを行ってもらい、まさに正式にスタート。ただ、うどん店さんのうどん券を販売するサイトは明確に代行しているサイトなのだとわかっていただく必要もあり、制約の多いSTORESではなく、イチから独自サイトを立ち上げることに。普通は3週間ぐらいかかるところを、「頼むから1週間で構築してくれ」と社内のメンバーに泣いて頼んで進行。プレオープンを4月22日に設定。そこへNHKさんから「おはよう日本の全国枠で流れるかも」との知らせ。実際3回も朝の時間に流れて、ものすごい反響。RNCラジオ、FM香川、瀬戸内海放送、読売新聞と取材だらけ。その間もFBグループは人数増えまくりで6,000人突破。なんとか23店舗でのプレオープンの目処はたつがお忙しいうどん店さんとのやり取りには時間がかかり、契約書も遅れ、素材も遅れ。
そして4月22日。オープン予定は12時なのに、11時になってもまだ素材が到着しないなどハラハラドキドキ。いよいよオープン。注文ラッシュ!!!感動。感動。たくさんのメッセージも。その日のうちに限定枚数に到達するお店も。たくさんの改善案やお叱りの言葉も。ありがたいです。猛スピードですぐ改善できることは改善。じゃんじゃん届く反応に返信していたら夜も遅い時間。帰宅して、この日が息子の誕生日だったことを思い出す。というか忘れていた。「ごめん!朝はおぼえていたんやけど・・・」「ええよええよ。誰かのために仕事一所懸命やってたんやろ。そんなお父さんで良かったわ」涙出る。ええ息子に育ったなぁ。
グランドオープンはクレジット審査会社が緊急事態宣言のために審査が遅れていて5月1日予定。それまでまだまだやること山積み。情熱だけでは続かないから、グッズ販売なども行って、守る会の運営ができる方法も同時に。元々情報発信力あるうどん店さんとそうでもないお店との差がつくことも大きな悩み。この対策も。まだまだアイデアが足りない。届かないといけない人に想いが伝わってない。もっと大きな力を呼び込まないといけない。行政?国?葛藤は運転しててもずっと頭の中に。
昨年末に僕が愛して愛した東植田の谷川製麺所が惜しまれつつ閉店しました。最後は通い続けました。閉店した後も諦めきれずに「大将慰労会」として大将を呼び出して飲んでもらって、やっぱり再開してくれないか本気で説得もしました。最後は大将の想いをみんなで聞いて、納得して心の整理をしました。
今回の新型コロナでは急に襲ってきた災難に大変な想いをしているうどん店のみなさんがいます。なんで「うどん店だけ?」とよく聞かれます。それは僕の人生の中で本当に大切にしてきた文化だからです。生活の一部だからです。その想いを先日Facebookに書いたので転載します。他にも「お前がやってることはうどん店の経営を悪化させるだけだ」とか「お前の会社が儲かる仕組みなんだろ」などなどたくさん声聞こえてきますが、うーん、公開の場で討論会とかできないのが残念ですね。だけど、やめません。
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本音の話をします。
僕が本当に大事にしたい、応援したいというお店は10店舗ぐらいです。僕のFacebookやInsta、Twitter見てる方は知ってると思いますが、同じお店ばっかり出てきますよね。僕はまだ行動範囲広い方ですが、週に6回ぐらいうどん食べてるおっちゃんでも普通はいつもの2,3店舗でまわしてる方が多いです。特別じゃない、普通の一杯。
仕事で遠く行ったときや、県外の友人が来たら、有名店や普段行かない穴場店にも行きますが、それは特別な一杯。
僕は自分の生活を潤いのあるものにするための必要条件として、この10店舗を20年先まで大事にして応援したい。自分が70歳を超えたら、今度は歩いていける範囲の3店舗を応援したい。昼からおでんでビール飲むような老後を夢見ているのです。
香川のうどん好きなおっちゃんたちには、必ずこの大事にしたい自分のテリトリーのお店があるはずです。この日常通ってくる方々がいつものうどん店を支えていると思います。僕はうどん店経営はしたことないですが、同じ時間、同じ席でほぼ同じうどんを食べているおじさんをよく見かけます。僕も同じように見られてるんでしょう(笑)
このそれぞれの日常の風景が香川県全体の、個性的で多様性のある文化を生んでるんだと思います。メディアが狙っても作れない、日常の積み重ね。ふれあい。
それが県外の方から見ても面白い独特の讃岐うどん文化となり、高速代や新幹線代、飛行機代を使ってでも食べに来てくれるのだと思います。
このそれぞれの普通の一杯を守りたいのです。結果的に香川全体を応援できたら最高です。みんなの応援したいお店を応援しましょう。
「いや、まだ大丈夫。頑張れるよ!」
というお店はもちろんそれで。
「ちょっとしんどなってきたなぁ・・」
という声が聞こえたら、ぜひお知らせください。
]]>なんか一年ぶりの投稿(笑)
いよいよ株式会社ゴーフィールド第二十期がスタートします。創業20周年に向けた総決算の年度の始まり!
思えば会社の登記自体は6月3日ですが、集まった僕を含めた若者7人が定時出勤スタイルをはじめたのは4月でした。やることもまだ明確じゃなくって、僕個人は先輩方や知人の会社から下請け的な開発業務の相談は受けてましたが、他のメンバーはとりあえずウェブサイト制作のイロハを学んでもらったり、店じまいしたアウトドア屋の残骸在庫を売り払ったり、通販事業をちょちょっと触ったり、山登ったり海潜ったりしてレポート書いたりしてましたね。めちゃくちゃ(笑)
制作会社よろしくブラック企業としての変遷を経て、社長が皆見になってからは打って変わって働き方改革のモデルといわれるほどのホワイト企業ぶり。
今年は香川大学など学生の皆様の前で喋る機会も多いので、そのあたりの紆余曲折はまたご紹介させていただきますね。
今年はGOFIELD会長として積み残し無い一年にしていきますので、どうぞご期待ください。
]]>敷地にある小さな桜も満開!今年の冬は寒かったので暖かい春がほんと気持ちいいですね。
会長職を務める株式会社ゴーフィールド、第十九期も元気にスタートしました。創業時は18年も続くと思ってなかったので、様々な制度設計も適当。それらを社長の皆見が引っ張って働きやすい職場にかなり近づいて来たと実感します。業績も予算達成して、最も重視している営業利益率も速報で13%にのった感じ。お客様、パートナー様、社員メンバーとその家族の皆さん、株主の方々、地域の方々、ありがとうございました!
ここ数年は守りを固めることが多かったんですが、今期はいろいろ新しいことが。創立記念日がある6月には発表できると思います。
個人的には人事含めて権限委譲はほぼ終えていて、取締役会の運営など業務監督中心に移行しています。ウェブ関連の相談がほぼゼロで、海ごみの話やガイディングの話で呼ばれることがほんと増えました。加えて、うどん関係も(笑)。
皆さま、新年度もどうぞよろしくお願いします!
]]>マラウイには現在もたくさんの青年海外協力隊の隊員が活躍していますが、我が香川出身の隊員も奮闘しています。
この日は象がたまに出没するという野生保護区をちょっと期待しつつゆっくり走り抜けて(象には会えませんでした・・・)、コタコタ(Nkhotakota)という町へ。マラウイ湖に面した小さな町。約束の時間まで早かったので、マラウイ湖に立ち寄って、トイレ休憩がてらガソリンスタンドで休んでました。で、まぁ、日本人が集団でうろうろしてると目立ちますからトイレの前で待ってるところにお土産売りのおにいさんたちが近づいてくる。手には木彫りの象やカバなど。第三世界方面に旅慣れてないと断りにくいので、同行してる女性陣は困りつつも話を聞いてしまっている・・・。ここはひとつ男森田が蹴散らしてくれよう!
森田「ノーサンキュー、ノーサンキュー。イーナフ、オールレディ、オールレディ」
おに「ヘイ、ジャパニーズ!プリーズ、ウォッチ!」
森田「ノーサンキュー、ノーサンキュー。」
謎女「けっこう、このおにいさんたちの安くていい品物ですよー」
森田「え?! 君、誰??」
という感じで現れたのが、香川県高松市出身の成瀬美紀隊員。聞けばこのおにいさんたちに部屋探しを手伝ってもらってるんだとか。それにしても突然の登場で現地化しまくってるな・・・。確かに、お土産の木彫りの象やカバも交渉すればかなり安くなりました。一行は成瀬さんおすすめの食堂でランチをご一緒させていただき、そこに先輩隊員、富山出身の原隊員も加わって、活動拠点のオフィスへ。
成瀬さんも中平さんと同じ2017年度第一次隊。7月にマラウイに到着して、一ヵ月後に南部の地方で着任していました。が、モザンビークとの国境近くでの吸血鬼騒動に端を発する混乱から一時首都のリロングェに退避となり、その後新たにコタコタに2週間前に着任したばかり。というわけで、かなりまだ日が浅くて戸惑いの中で小さくなって過ごしてるのかなと思ったら、陽気な元気印の娘さんが登場したのでびっくり!
最初の頃はインフラ面にしても仕事上の設備やマラウイ人のスキルなどにしてもいろいろと低品質で不安だったみたいですが、二ヶ月ぐらいで慣れてしまったんだとか。早い(笑)。大事なのは鈍感力。ここは日本じゃない。マラウイ。なんでもかんでも神経質になっていたら進まない。
成瀬さんの仕事は農村部におけるコミュニティ開発の支援。先輩隊員、原さんが切り開いてきた村々の人々との信頼関係を土台に、自立できるビジネスモデルの創出や、コミュニティとしてのネットワークが強まることで起きてくるメリット提議などがミッション。特に力を入れているのが、トウモロコシの皮やピーナッツの殻、おがくずなどを利用したブリケットという炭の生産と販売。いわゆるチャコールブリケットというやつですね。ホームセンターで売ってるやつでダッチオーブン料理をするので僕はよく使うんですが、それと比べても品質良さそう。マラウイは電化率低い上に、郊外ではガスなどの化石燃料を使うことも無く、主要なエネルギーは、薪と炭。人口増加もあって森林伐採が問題になっているとのこと。ブリケットを普及させることで現金収入にもなるので一石二鳥。
なるほど。先進国の援助に依存しないよう、自立した経済を!というのは簡単だけど、ひとりひとりのマラウイ人にとっては、目の前の生活がまず一番。努力した結果がちゃんと現金になることで、次のモチベーションアップに繋がる。
二人はバイクで村々(遠くは片道20km!)を周ってコミュニティ開発支援をしているとのことだけど、それにしてもマラウイ人相手に、これはかなりのコミュニケーションスキル、プロジェクトマネジメントスキルがないと難しい。何より根性も伴ってないと。日本人相手でも難しいことをやってるんですから・・・。やっぱり本人たちが優秀なのと、志が高いんだろうなぁ。帰国した隊員が転職市場でひっぱりだこなのは、経営者の一人としてよくわかります。
先輩ボランティア原さんが築いた礎。後任の成瀬さんは助かっていることが多い。さらに発展させ、結果を出していかなくてはいけないので、相応のプレッシャーはあるのだろうが、身につけた鈍感力を駆使しながらたくましくマラウイの地で草の根の活動を続けることでしょう。同郷の人間として誇りに思います。
若き讃岐女の笑顔は、夏の陽射しが降り注ぐマラウイ湖にも似て眩しいのでした。
(マラウイ三部作、ひとまずここまで)
おやつや調味料、ボールペンなどの補給物資をもらってほんとに嬉しそうな成瀬さん。
オフィスをバックに記念撮影。巻いてるスカートやカバンもマラウイ布のチテンジ使ってアレンジ。
成瀬さん、原さん、笑顔のお見送り。二人ともほんとかっこええわー。帰国したらまたお話聞かせてください。寿司でも焼肉でもごちそうしますね。
]]>マラウイの旅は続く。
青年海外協力隊の皆さんの活動の現場を実際に見たことがないので、当日までは少々不安でした。主に「邪魔にならないだろうか?」という不安でしたが、まぁ、僕もいいおっさんですんで気を大きく持って訪問。
この日は高知出身の中平有隊員。「土佐のいごっそう」というよりは、モデルのような雰囲気。出会いからの明るい笑顔に調査団の面々も安心して顔がほころびます。訪問したのはムジンバ県北部保健事務所カウチェヘルスセンター。サバンナの真ん中にある診療所と保健所が一緒になったような施設。中平さんはそこで栄養士として妊産婦さんや病気になった方々への栄養指導を実施しています。2017年度第一次隊ということなので、7月からマラウイに来られてて、現場に入ってからはまだ3ヶ月程度だと思うのに、既にスタッフや上司の方々からの信頼が厚いのがすぐにわかりました。
ちょうどママたち対象のヘルストークが始まるというので見学させてもらいます。テーマは離乳食のようですね。椅子が足りないぐらい赤ちゃん抱えたママたちがぎっしり。と、突然手拍子がはじまって、みんなが歌い始めました!なんだなんだ!!
上の映像は30秒ですが、実際は5分以上。もっと長かったかな。スタッフが音頭をとって場をあたためてくれてるようですね。ママたちみんな歌うまい!ちゃんとソロパートもあったりしてそれが自然と流れていきます。感動。かなり感動。けど、ちょっと場があったまり過ぎちゃうかと心配なぐらい(笑)
続いて中平さんのヘルストークが始まりました。驚いたのが現地語での講和です。いちおうマラウイは英語が公用語ではあるんですが、小学校の後半にならないと英語はあまり使いません。事情があって小学校途中でやめる子供も多くて、普段使わない英語はわからない方々も多いそう。ママたちも関心の高い赤ちゃんのための講和はやはり現地語主体なのですね。しかもマラウイは多くの部族から成り立っていて、それぞれ言葉が違うので、中平さんが駆使してるのは「トゥンブカ語」。これも滞在3ヶ月とは思えないレベルです。そうとう強い意志を持っていないと無理な話です。
現地の食材、食生活をよく観察して、ママたちが実践可能な指導を実施されています。ある村を訪問して、食事をご馳走になったことがあったそうですが、その時に栄養指導した六大栄養素のことなどが活かされていて感動されたとか。その村の方たちにしてみれば無理をしたご馳走だったかもしれないのだけど、ほんとやりがいを感じた瞬間だったそうです。
ヘルストークに使う紙芝居形式の資料は中平さんオリジナルの手書き。ちゃんと笑いどころも織り交ぜて、ママたちを飽きさせない工夫が随所に。こつこつひとつずつ実行していく姿勢が伝わってきます。
3ヶ月で既に順調なスタートを切っているように感じる背景には、高知県民とよく似た「おせっかい」なマラウイの人たちの気質があるのだとか。スタッフや周辺の方々と、支え、支えられのいい関係があるのですね。
マラウイに滞在していてわかったんですが、マラウイは強力な口コミ文化。テレビも新聞もないのに、昼下がりの樹の下でのおしゃべりなどで、ものすごい速さで伝播していきます。
中平さんのような草の根の日本人の活動が、やがて日本人全体への感謝や信頼となって強力な口コミで伝わって行くのだなと実感しました。
このレポートまだ続きます!
(続く)
砂浜美術館のHIRAHIRA FRIENDSHIPをマラウイ共和国ムジンバ県カウチェで開催!!
僕も地味な顔ながら草の根交流。
僕たちの乗ったミニバスを素敵な笑顔で送ってくれた中平さん。次回お会いした時は、旨い日本酒呑みましょう!体に気をつけて毎日の挑戦、頑張ってください!
]]>11月11日から18日までアフリカのマラウイに行ってきました。学生時代にケニア・タンザニアに登山やサファリに行ったことがあるので、「また森田は仕事サボって遊びに行ったな!」と古くからの友人たちは思ったかもしれません。というか、家族や親戚にも社員にも疑いの目で見られておりました・・・。実態は、「JICA青年海外協力隊等理解促進調査団」ということで、マラウイ政府からもお墨付きをもらった公務での訪問なのでした。
関西空港から香港まで4時間。香港から南アフリカのヨハネスブルグまで14時間。ヨハネスブルグからマラウイの首都リロングウェまで2時間。まさにOut of Africa。世界遺産のマラウイ湖が雄大な、アフリカ大地溝帯の国。
メインの訪問先は四国出身の協力隊員なのですが、マラウイの置かれている現状をきちんと理解しないと隊員の皆さんの苦労なども理解できないので、大名視察旅行ではなく、まずまず等身大のマラウイを堪能できる内容でした。
詳しくはWikipediaでマラウイのことを読んでもらうとして、世界でもなかなか厳しい最貧国のひとつです。経済成長もしているのですが、その母数がかなり小さい経済規模なので脱していません。農業国で主に自給用のトウモロコシを生産しています。輸出用にはタバコを生産していて、JTも進出しています。
豊かになるには産業を興すことなのですが、例えば製造業を考えてみると、労働力としては人口1,700万人以上なのでかなり豊富。しかし、インフラが整っていないので工場の建設、稼動は容易ではありません。電化率は10%程度。しかも安定していなくて頻繁に停電します。僕たちが滞在していたときも度々停電しました。物資輸送の鉄道も一部のみ。水道、通信含めたインフラ全般が整わなければ本格的な産業としての製造業の隆盛は厳しそうです。そのインフラ整備も今は外国からの支援頼りで、なかなか好循環な流れにはなっていない。そんな状況なのでビジネスチャンスとして外国資本がドンと入ってくることも少ない。
まずは、マラウイの人たちの衛生状態の改善や、教育の向上、地域コミュニティ開発など、人的社会資本のストックを増やしていくことが遠回りだけど大事な局面とも言えるのです。
そこで活躍しているのが日本の青年海外協力隊の皆さん。累積の派遣数では一番多いのがマラウイなのだとか。
では、次回は隊員たちの活躍を報告します。
(続く)
働いてるのは女性や子供が多くって、おじさんたちは日陰でおしゃべりしたり、バックギャモンのようなゲームをしている人が多かったような・・・。たぶん農繁期には大活躍するのでしょう。
元気なおばちゃんたちが新鮮な野菜を売ってました。
バックパッカー時代を思い出すホテル。エアコンなし、お湯なし、便座なしは別にいいんだけど、マラリアに怯えながら隙間だらけのドアや閉まらない窓はなかなかレベル高い(笑)。けど、暑くって、酔って半そで短パン、蚊帳無しで寝ましたけどね。
料理はほんと美味い!トウモロコシの粉を蕎麦がき状にした熱々のシマ(ンシマ)とチキンやビーフの組み合わせ。これを手でネチネチと練って食べるのが美味い!毎回だと飽きてくるのでインド料理や中華料理も食べたけど、今、猛烈にシマとチキンが食べたい!
]]>皆さんご存知のように、僕は月に2,3回はビーチクリーンアップ系のイベントを主催したり参加したりしていて、それ以外にひとりや子供たちとふらーっとお宝探しがてらクリーンアップをしてます。
特にイベント時に気になっていたのが、拾うときのごみ袋の問題。だいたい開催場所の自治体に事前に相談に行き、集めたごみの回収依頼とともに、自治体指定のボランティア用ごみ袋をいただくことが多いです。で、いただいたごみ袋を最初に参加者に渡すんですが、人数分渡しちゃうと、漂着ごみが少なかったりしたら45リットルごみ袋に5リットルしか入ってないごみ袋とかを最後に一緒にしたりして、結局使っちゃった空のごみ袋が10枚ぐらい出ちゃった・・・。なんてことがよく起こります。人数や漂着ごみの量にあわせて最適な数を配ればいいんですが、参加者の拾うスピードや天候などによって左右されたり、「小さなお子さんはおとうさんの袋に入れてねぇー」って言っても自分で袋持ちたい子供もいるわけでなかなか難しい。そもそも発生抑制の啓発も兼ねた活動なのに、新しくプラスティックごみを出すことの後ろめたさが嫌でした。
欧米のビーチクリーンアップの様子をネットで見てたら、40リットル前後の防水のランドリーボックスのようなものを持って活動しているのがいくつかあったので、僕も試してみることにしました。欧米の場合、浜辺にトラックやコンテナが待っていて、直接集めたごみをばんばん積載していけたりするのかもしれませんから同じようにはいきませんが、そのあたりの使い勝手検証します。
防水で丈夫で使い捨てじゃなきゃなんでもいいんですが、パッと見おしゃれなのがいいのと、携帯性が優れてるのがいいなぁと思ったので、2,000円以上しますが、今回はHIGHTIDEのTARP BAGにしました。折りたためばシステム手帳ぐらいのサイズになります。
結論から言うとすごくいいです。重さ自体は気にならないのに厚手なので、大きな開口部が勝手に閉じることがありません。なので、がんがん拾えます。僕は35リットルのタイプを用意したんですが、満タンになった場合は、よくある45リットルのごみ袋を開口部に被せて逆さまにしてドサーッと移動できます。かなり効率よく拾えました。ひとつ課題は、小さなバッグを引っ掛けるなどして、お宝用のバッグを中に装着できるといいかなぁと考えてます。漂着ごみ拾いは、漂着お宝を拾う時間でもありますからね!
小学1年生のシホちゃんに持ってもらいましたんでよくわかると思いますが、子供たちにはちょっと大きいので、小さい16リットルぐらいを用意してあげるといいですね。
これからはぜひ「マイテンポラリーバッグ」を持参してビーチクリーンアップはいかがですか?もちろん、ペットボトルではなく、マイボトルもお忘れなく!
]]>クラウドファンディング、FAAVOを利用してNPO法人アーキペラゴで新しくスタートさせたプロジェクト、「せとうちクリーンアップフォーラム」の仲間を増やす挑戦をしています。今日現在で50人もの方が支援してくれていて、自動的に今年度のサポーターになってくれている(クラウドファンディングが成功すれば・・・)わけです。これまでの取り組みに比べて仲間の輪の拡がり方がすごいので、これだけ見ても地域系のクラウドファンディングは仲間作りに向けたプレゼンテーション&登録のツールとして価値が高いなと実感します。
■美しい海を瀬戸内から。あなたもぜひ仲間になってください!(FAAVO)
ただ、目的に比べて目標数値が高かったのか、人数を意識した結果、魅力的な高額支援コースがないなど、支援コースの設定がミスったのか、はたまた僕のような数年来引き篭もって人脈拡大してこなかった人間が起案者なのがまずいのか、20日を切って、やっと半分に到達したところです。
もうひとつ、「海ごみの問題は普通に生活している香川の一般の人も当事者なんですよ~」という話がなかなか実感を持って伝わりにくいという、僕の表現の問題でもあるなぁと感じています。普通なら、まぁそこはのんびりじっくり伝えていこう・・・ってなるんですが、クラウドファンディングの期限はあと19日なので、どこまでできるかわかりませんが、もう一度整理してみます。(前置き長い)
1.瀬戸内海は太平洋など外洋と比べて圧倒的に海ごみの量が多い。汚い。
・沿岸流域人口3,000万人も住んでる閉鎖海域
2.ごみの多い瀬戸内海の海水と、比較的ごみの少ない太平洋の海水が一日に二回行き来する。
・瀬戸内海に流入、発生した海ごみの半分が太平洋など外洋に流出
3.太平洋に流出した瀬戸内海由来の海ごみは、北太平洋海流などで運ばれる。
・ハワイやミッドウェイ近海にも
4.ミッドウェイ近海の海ごみを親鳥経由で多くのコアホウドリの雛が誤食している。
・死んだ雛の胃袋からは瀬戸内海由来の海ごみも発見
5.香川県やNPOの長年の調査で海ごみが大量に漂着する場所は特定できつつある
・重点箇所での回収が効率的、大規模クリーンアップ(行動1)
6.海ごみや種類の変化、破片化の進行、季節による変動がある。
・継続的な調査活動、研究が必要(行動2)
7.重点的回収を進めるだけではなく、発生抑制が重要。
・これまでは「ごみを捨てないようにしよう」という普及啓発中心
8.瀬戸内海の海ごみの2/3が川を経由するなど陸域からの流入。
・まちのごみを川が運ぶ。川などでのクリーンアップも有効。
9.社会から悪意のあるひとがゼロになることはない。
・便利と言う理由で使っている使い捨てプラスティック製品の一定量が適切に処分されず海ごみになる
10.人口が多いため、悪意のない、不注意の積み重ねでも大量の海ごみになる
・陸域から海に流入している海ごみを沿岸流域人口で割ると、ひとりあたり年間わずか100g以下
11.使う必要のない使い捨てプラスティック製品を中心に利用自体を減らす
・ペットボトル、レジ袋などを使わないライフスタイルの提言(行動3)
A1.ペットボトルやレジ袋などの使い捨てプラスティック製品を使わないことが、瀬戸内海へのごみの流入量を減らすことに繋がる。
A2.まちや川でクリーンアップをすることが海ごみを減らす。
A3.漂着ごみの多い重点ポイントでクリーンアップすることが瀬戸内海の海ごみを減らすことになる。
A4.瀬戸内海の海ごみを減らすことが太平洋に流出している海ごみを減らすことになる。
A5.地球の仲間たちを救う小さな一歩になる。
本当はマイクロプラスティックのことなど調べれば調べるほど、人間の健康にも関わってくる問題のようで、当事者意識持ちやすい話題なのですが、まだ科学的アプローチが足りてないですし、風評被害につながることなので慎重になります。
なにより、太平洋の浜辺と瀬戸内海の浜辺両方に行けばわかりますが、圧倒的に瀬戸内海の浜辺はごみが多いです。それだけでも辛い事実だと思うんですよね・・・。
そんなわけで、整理してもまだまだ伝わらないと思います。どこに行ってでも喋りますので、呼んでください。また、下記リンクよりぜひ応援くださいね。お願いします!
]]>ここ高松でも桜が開花して春本番ですね。春の香りが漂って、目にも新しい色が増えて、この季節が一番好きです。
株式会社ゴーフィールドも新年度、第18期、2018年3月期が元気にスタートです。
朝礼の時に社内のメンバーにきいたのですが、繁忙期年度末の3月に「零時」を越えて残業したのは一人でした。22時過ぎ経験者は4,5人といったところ。約半数のメンバーは定時で、残るメンバーも20時頃には退社できていたとのこと。僕が陣頭指揮執っていた時なら考えられませんね・・・。社内働き方改革がかなり進んできていると思います。
新年度からはこれに甘んじず、さらに業務改革進めるべく、昨年後半から水面下で準備してきたことを着実に進める予定です。
社長である皆見の王将に飛車角金銀が揃っている上に、若手の成長で飛車角がもう1セット、銀と桂馬が多数・・みたいな感じでしょうか。きっとお客様、そして地域の方々のお役にもたてると思いますのでご期待ください。
]]>毎年この日には同じようなことを書いておりますが、株式会社ゴーフィールドは、本日第十七期の決算日をなんとか迎えることができました。これもお客様、パートナー企業様、社員メンバーとその家族の皆さん、株主の方々、地域の方々のおかげです。
主に香川、徳島のお客様を中心にお手伝いをしておりますが、その使命としては、
企業、行政、個人など全ての方々の情報発信力、ネット活用力をパワーアップ
です。また、創業時より経営理念として、自然との共生、地域貢献を掲げています。地域貢献は、有意義な事業活動をして収益をあげてきちんと「納税」をすること、そして「新しい雇用を創出」し、それを「維持」することであると考えています。
創業からの10年余りで費やしたフェーズでは僕の経験不足からの財務悪化がありましたが、その坂道もやっと登りきった感があります。社長の皆見をはじめとした頼もしい新しい経営陣も明日から新体制でスタートします。事業執行部分での僕の役割もほぼなくなってきており、これからの10年に向けた仕組みも整いつつあると実感します。
ここからは楽な下り坂を歩むのではなく、さらなる飛躍に向けてもがいていきたいですね。
]]>年に何度か企業、団体様のご要望でビーチクリーンアップを主体としたツアープログラムを実施することがあります。名目は社員研修であったり、社員ボランティアイベントであったりで人事的な部署やCSR的な部署からのご依頼です。最近ではそれに実施地域ならではの地元料理のランチを組み合わせて、地元交流も組み入れています。ビーチで体験型学習にて学び、体を動かした後に、海や山の恵みをいただき感謝するという流れです。
ビーチクリーンアップは単なる清掃活動ではなく、国際的な海ごみの分析手法、「国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup:ICC)」によって調査を実施します。海ごみの問題は拾うだけでは決して解決しません。それはいくらごみを回収しても、新たなごみが繰り返し発生し、漂着するためです。海ごみ問題の根本的な解決方法を探るため、世界共通の手法(ICC)を体験し、海ごみの内容を調査し、海ごみの問題点を参加者ひとりひとりに気付いてもらいながら、改善の方策を探って行きます。私たち自身がごみを減らさなければ海ごみ問題は解決しないことを理解してもらいます。
この体験型学習により、参加者は社会性を実感し、地域での社会貢献の大切さを学びます。同時に、瀬戸内海の自然の素晴らしさと自然の恵み、そして地域の方々のあたたかさを感じて、よりそれぞれの地元にも愛着ある社会生活を送ることになると考えています。
海岸での漂着ごみ調査を兼ねたクリーンアップ、漂着お宝探し、磯観察などを実施した後は、地元の方々に調理いただいた料理をいただき、自然の恵みに感謝します。会社を離れた場所で自然の中で地元の方々との交流は、かけがえのない時間となることと思います。
]]>皆さんの会社では「社員旅行」ってやってます?
株式会社ゴーフィールドでは2009年10月を最後に実施しないまま。やらなかった理由はいろいろあるんですが、僕がつい考えてしまうのが、
「今の若手のみんなって、週末二日潰してまで社員と旅行なんかしたくないやろうなぁ」
「仮に実施するにしても、中身充実させるためには幹事になった人に負担が大きくなるなぁ」
ということ。子育て世代が多いことも、以前の独身中心時代のはちゃめちゃぶりとは状況が変化しています。社員である前に家庭人ですから、週末は何かと戦力でしょうし。例え日帰りでも朝早くて、夜遅く帰るバス旅行でさえ嫌だろうなぁ・・とか。飲み会の延長みたいなのも面白くないですしね。かといって、やはり長年何もしないのも経営の大事なことをサボってるようでひとつのプレッシャー(笑)。
なんか短時間で非日常感味わえることないかなぁ・・と考えていたら、あれ?この二年、県の里海づくり事業で何度も実施してきた「里海体験ツアー」は9時半集合の13時半解散。朝はそこまで早くないし、楽しんで帰ってきてからも夕食の準備まで時間があってのんびりできる。これやんか。ってことで、発足したばかりの「かがわガイド協会」の皆さんと、「王越まちづくり推進協議会」の皆さんにお願いして、王越を舞台にした「里海社員遠足」をすることになりました。
参加者は社外のゲスト含めて26名。そのうち子供が1歳児から小学3年まで10人でかなり賑やか。集合場所にさえ行けば、あとは完全お任せでガイドのお兄さんたちが仕切ってくれるので、実質幹事必要ありません。僕もイチ参加者として楽しみます。ガイドさんによってふたつの班に分かれて、それぞれアイスブレイク的にオリエンすませて、フィールドに出発!王越のまちなみを抜けて、山の中へ。片道20分程度ですが、勾配を上げ、イノシシ柵を開けて森の中に入っていくと、なんだかそこは人間界じゃないみたいな雰囲気。俄然子供たちも大人も盛り上がります。イノシシが大きな穴を掘ったところには、イノシシの足跡がくっきり。現役猟師のおじさんからいろいろ説明受けつつ、今度は獣道を通って、イノシシ捕獲の「くくり罠」を仕掛けるところを見学です。イノシシの気持ちを想像しながら、ここという場所に穴を掘って罠を仕掛け、わからないように落ち葉などでカモフラージュ。完成したところで、猟師のおじさんが木の棒を拾ってきて、
「これがイノシシの足ってことで、誰かイノシシ役を(笑)」
みんな緊張の中、イノシシ役のMさんが棒をちょんちょんと獣道を歩いてきた感じで罠を踏むと
「バシコーーーン!!」
って感じでみんなの驚愕の声と共に、イノシシの足に見立てた木の棒は、見事罠に捕まりました。
帰路はのんびり下って、途中で地元の方から提供いただいた場所で、甘夏柑の収穫体験。「常識の範囲で」でしたが、多い子は20個ぐらいもいでました。その場で食べたりしてみんな笑顔。重たい嬉しいお土産ができました。
11時半に戻ってきたら、もうみんなお腹ぺこぺこ。手を洗って春の陽射しの下でイノシシのBBQ。このイノシシも王越産。イノシシの被害の勉強をして、実際にイノシシの森に行き、罠を仕掛けるところを見学してるので、みんなの肉を見る目がなんか違います。美味しい山の恵みとしてありがたくいただきましょうね。
イノシシBBQのほかに、地元のおかあさんたちが作ってくれた郷土料理の鯛めしと団子汁、菜の花の味噌和えをいただきます。この鯛めしは「きざら」の砂糖をたっぷり入れた甘い炊き込みご飯。最初は「甘い」と感じますが、これがくせになる旨さなんですよねぇ。子供たちが「おいしいおいしい」って食べるので、王越のおかあさんたちも素敵な笑顔になってました。
お腹いっぱいになったら13時。人数分以上に用意していただいていた鯛めしもイノシシ肉も完売!みんなお腹パンパンになってます。女性社員たちも「食べ過ぎました・・・・」と、か細い感想(笑)。ガイド中心に振り返りをしましたが、みんな満足そうな様子でした。その笑顔が経営者である僕にとっても何よりのご褒美です。
また、地元の方々から、
「子供が少なくなった、何にもない王越に、こんなに子供たちが遊びに来てくれて走り回ってるのが何より嬉しい」
との声もいただきました。
ガイド、スタッフの皆さん、王越の皆さん、春の素敵な一日、ありがとうございました~!
]]>前回、僕たちが王越地区でやっている活動に関して書きましたが、ツアー開発自体はこれまで多くのフィールドで実施してきたことです。プロガイド養成講座でも一番重点を置いていますが、アクティビティ開発、ツアープログラムの開発はほんと時間もかかるしスキルが試されることです。ただ、とにかく完成させて、その後改善を重ねていけば、そのエリアにとってまさに「資産」が一個増えたということになるでしょう。うむ。そういう意味ではバランスシートに資産計上してもいいぐらいだな。
今も自治体や観光に携わっている方々からツアー開発の依頼をいただくことがあります。過疎化が進んでいるエリアだったり、これという観光地がなくって困っているという相談だったり。民泊は登録したけど、特に何かあるわけでもなく、周遊的な起点にならないだとか。
僕たちの方式は以前も書きましたが、必ずプログラム全般を中心で運営する「ガイド」が開発も主体になります。まずはフィールド調査になりますが、エリアの地図を広げて、地元からの要望だけでなく、様々な情報をヒアリングします。続いて実際にフィールドに出向いて、気になったところを調査して回ります。ここを複数のガイドで実施するとアイデアラッシュ状態になって、後々、様々なアクティビティの種になることもあります。また、ツアー参加者の満足度を高めるには、地元の方々との交流も重要なので、開発するガイド自身が地元の方々と懇親会などで交流することも重要視しています。できればお酒で(笑)。リラックスしてその場所の未来や想い出を語ってもらう中に、またアイデアが生まれたりしますね。そうしてそのエリア特有の魅力を理解していくわけです。
調査が終われば、いよいよ開発フェーズに入ります。対象者や具体的な場所、実施する季節などを踏まえアクティビティ、ツアープログラムを開発して行きます。ここも複数のガイドで実施することで完成度を早めます。ガイドどうしで意見が違うことも多いですが、リスペクトしている関係ができていれば大丈夫です。ガイド自身が参加者の気持ちになって、「これって面白いかな?それだけの金払って満足度あるかな?」という視点で検証を継続します。必須のチェックポイントなどもありますが、何より経験がものを言うところですね。
開発が終わればモニターツアーを実施します。あとは反省点踏まえ改善を重ねていくことです。
ツアー開発の大事な基準は、一般客狙いなのか、企業狙いなのか、いろいろ対象者はありますが、とにかく「ガイド」として採算があう内容にすることです。食っていけるということ。じゃないと、続きませんよね。仕事にできるレベルじゃないと。香川県内の自治体さんなどでしたら、開発したツアーを僕らがメインガイドで実施することも可能ですが、僕たちも人数に限りありますので、その地元のガイドさんを増やしたいところです。
きちんと収入が得られるツアーを開発することは、交流人口を増やすだけでなく、ガイドとして雇用を生み、定住人口を増やすことに繋がります。専業はすぐには無理でも副業としてとか、複数の収入源を持つなどの生き方をしたい人には向いています。僕たちが開発するツアープログラムは大きな設備投資が必要じゃないことが多いので、スモールスタートにも最適です。
ただし、ガイドの品質は問われますので、あわせてガイド養成講座の受講などもお奨めします。若手でガイドを仕事にしたい人にはまだまだ話し足りないこと多いのですが、それはお会いした時にでも。気軽に連絡ください。
]]>「人と自然が共生する持続可能な豊かな海を目指して」をキャッチコピーに、香川県が推進している里海づくりの拠点フィールドのひとつが、坂出市の王越地区。僕も三年ほど前からお手伝いをさせていただいていて、一般客を対象とした里海体験ツアーの開発・実施だけでなく、企業からの社員ボランティアイベントの受入、企業研修フィールドとしての受入、プロガイド養成講座の実習フィールドなどガイドとしてだけでなく、講師やコーディネーター的な役割などでも面白い経験をさせていただいています。
最初は友人のプロガイドメンバーと王越地区のまちおこしを目指している北山さんはじめ、地元の方々と少しずつ交流を深めて、自然や神社仏閣などを調査。それだけでなく、会話の中から地元の方々の暮らし方や小さい頃の想い出などを語っていただき、王越地区のことを理解する作業からはじめました。当然、地元の方が面白いと思う視点と、僕たちが面白いと思う視点は違いますから、白熱した議論が続いたこともありましたが、丁寧に会話を重ねることで妥協点を見つけ、実験的なモニターツアーを実施。そこから反省点を踏まえて改善改善改善。だんだんとお互いの信頼関係も構築され、素敵なツアーが実施できるようになってきたんだと思います。
王越地区の魅力はたくさんあるのですが、フィールドとしてのポテンシャルとしては海も山も近いこと。四季ごとに様々なアクティビティ、ツアープログラムが開発できます。海の幸、山の幸に恵まれていて、体験として採取や手入れを実施して、プログラム的に重要性が高い昼食で味わうことができるのです。これは大きいですね。メインのアクティビティ以外にサブのアクティビティも開発しておけるので、天候変化や参加者の状況によって、容易に変更が可能だったりもします。それぐらい多様性というか、豊かな場所なんですよね。
一般客にしても、企業主催のイベントにしても親子参加の率が高いです。親の立場からすると、子供には自然の中での体験をさせてやりたいが、親自身にスキルがないし、どこでどんな道具で、そして安全にやればいいのかわからない、というのが大きいようです。何より面倒ですよね。集合場所にさえ行けば、あとはガイドが自然の中に連れ出してくれて、楽しくもてなしてくれつつ安全にも配慮しているという、いわば「お任せ感」が選ばれている理由なんでしょう。親自身が一番楽しんでいるというのもありますけどね。少なくとも、キャンプ場などでたまに見かける、子供置いてけぼりで夫婦で喧嘩してる、なんてことにはなりません。
王越の魅力はフィールドの多様性と書きましたが、それ以上に一番の魅力は優しい地元の方々との交流です。20人ぐらいのツアーでしたら、おっちゃん4人ぐらいに地元ガイド的にお手伝いいただき、婦人会のおかあさん4人ぐらいに料理をお願いしています。最初は参加者との間にお互い気恥ずかしさもあって緊張感ありますが、ガイドがうまくほぐしていきますし、一緒に何か体験したり、美味しいものを食べているうちに、なんだか親戚の家に来た感じになって行きますね。参加者が帰るときにお見送りしますが、ほんとみんな長い間手を振ってくれます。出会ってからたった4時間程度なんですけどね。それぐらい地元との交流時間は満足度高い時間です。
そんなこんなでこれからも僕自身も王越には通うことになると思いますが、同じ県内ながらも第二の故郷と思って通っています。岬をぐるっと周って瀬戸内海の青い海を横目に、緑の山に囲まれた王越が目の前に広がると、また帰ってきたなぁと感じるのです。
]]>「会社以外のコミュニティに所属することの重要性」として、前回は地域コミュニティのこと、とりわけ、強い地域コミュニティに所属し、当事者意識を持って取り組んでいくことが大事だと書きました。
今は、SNSなどのネット活用やLCCなどで移動コストが下がってることで、遠隔地にいてもコミュニティを形成することが容易な時代になってきました。僕の場合、緩やかなつながりとしては、全国のウルトラマラソンを完走主体に楽しんでいる友人たちがいますが、SNSと数ヶ月に一回実際に会って呑んで騒ぐことで、不思議な心地いい連帯感が生まれます。同じ目的、ミッションを持っている同好の志というのは強いですよね。
皆さんもそれぞれ、会社以外での趣味仲間などがエリアに依存しない単位で存在していると思います。
ただ、前回課題に挙げた、会社以外でいざとなったら本気で助け合うコミュニティというのは趣味仲間、飲み仲間レベルとはまた違うかもしれません。関係性の強い弱いというよりは、「稼いだり、課題解決を進めることができるコミュニティ」が理想かなと考えています。同窓会ひとつするのに、いろいろ苦労するようなのは違うかなと。
今すぐはそうでなくっても、コミュニティ構成員にとって解決すべき課題が見えてきたら行動できる、財務力や人材。とりわけ、人材です。それぞれがこれまでの経験に沿って、スペシャリストな部分や全体のマネジメント力などが統合され、大いに力を発揮する組織化されたコミュニティ。そういう意味ではNPOや社団法人などがわかりやすいですね。最初の所属は、ボランティアスタッフだったり会員だったりでいいんですが、ポイントは所属意識と当事者意識かなと思います。そして活動を共にし、共通体験を積み重ねたり、課題を解決していく中で、まさに自分のコミュニティになっていくのでしょう。
2017年2月1日に、地元のガイド仲間たちとともに、一般社団法人かがわガイド協会を立ち上げました。僕にとっては当事者意識むき出しのコミュニティといえます。「かがわの自然や暮らしを体感し、学び、そして守っていく人」を応援する団体です。志同じ方は拒みませんので、ぜひご連絡ください。あなたにとっての心地いいコミュニティを一緒に育てて行きましょう。